こんにちは! 粋世女将です。
さて、昨日のBLOGに続いて今回は後編をお届けいたします。
木の種類が分かってくると、「こんな所にこんな木が!」「この木目なんか好きだなぁ」など
家を見る楽しみ方が広がると思います。(ちょっとマニアックかな……。)
それではどうぞ!
日本家屋は適材適所で成り立っている。
今日は客室の話を聞きたいのですが、まず元は応接間だった洋間の”秋月”について、
ここで使われている木材で特徴的な物はありますか?
ここでは床板に注目してください。基本的に粋世の床板は昨日も話したようにマツの床板ですが、この秋月はラワンという洋材、いわゆる輸入材が使われています。


洋室のテイストに合わせてわざわざ床板を変えているんですよ。凝っていますね。
ちなみにこの秋月は腰板に昭和初期では珍しく合板を使っていたり、漆喰仕上げの天井であったりなかなか面白い部屋です。
秋月はすごく昭和レトロを感じる部屋ですね。女性に人気があるお部屋です。
他の客室についてはどうですか?
他はなんと言っても純和室の晴嵐です。
この部屋の床柱は「赤松の皮付き」といって赤松の細木を皮付きのまま床柱に仕立てたものです。また床板はトチの木、トチの実から作られる栃餅を食べた方も多いのではないでしょうか。リップルマーク(さざ波模様)が現れるユニークな木です。
床框(とこかまち)には島柿が使われています。濃淡の年輪が美しい名木です。
わざわざこういった木を使うとはコダワリがある家だったとわかります。

この床柱は時々お客様から質問があります。
やはり皮付きだと目に付くのかな……。
最後にこの部屋に置いてある桐だんすについて教えていただけますか?

元来より桐は日本の木材で最も軽く吸湿性にすぐれ、狂いにくく、磨けばひかると言われ家具の材料として多く使われています。
そして、桐は成長が早く20年で約10m伸びると言われています。ですので、子供が産まれると結婚道具の為に植樹し育てたそうです。
丁度この桐たんすも嫁入り道具と書いた紙が貼ってあり、もしかしたらその為に植えられた桐が使われたかも知りませんね。
昨日、今日と大変有意義なお話をありがとうございました!
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